花見に関連する作品

狂言

花見・桜に関する狂言で有名なのはこの作品「花盗人」でしょう。これは、多くの人が耳にしたことがあるタイトルかもしれません。今も、春の桜の季節に合わせてよく行われる題目です。

内容としては、ある下屋敷の桜が盛りで、美しくさいているというので、一同で連れだって花見に出かけたところ、土産にということで、一枝の桜をお供に折り取らせますが、そ盗人がお供が他のことに気を取られている隙を見て、その枝を盗みます。

そして、盗まれたことに気付いたお供は、何とかその桜を取り返そうとするのですが、そうして争っている最中に刀を奪われてしまいます。そこで、それを見た旦那がそのお供に自分の刀をわたして、取り返すように命じますが、お供はなんとその刀も盗人に取られてしまいます。

そのため、旦那は自ら縄で盗人を捕まえ、お供に盗人を縛らせようとしたところ、盗人ではなく、お供は誤って旦那の方を縛り、それに怒ってお供を追いかけまわすという話です。これが「泥棒を捕らえて縄をなう」という格言を狂言にしたものです。

このように、「花盗人」は非常にユーモラスな狂言なのですが、実は、「花盗人」という話は狂言だけではなく、能にもあります。この能の「花盗人」は題名こそ同じものの、内容は全く違います。

こちらは「花盗人は罪に有らず」という格言を演じたもので、桜の枝を土産とするためにと最初に折り取った旦那に罪はないが、その桜を奪った盗人は罪になるという内容になっているのです。こうした違いや背景について考えてみるのも、またおもしろいかもしれません。